~木とふれあい、木に学び、木と生きる~
徳島県で木育に取り組んでいる人を紹介するコーナーです。
『テーブル工房kiki』オーナー 木村健治さん
kikiの“はぎれ”
テーブル工房kikiでは、材料を丸太で仕入れて製材する。テーブル用の一枚板、椅子のフレーム、時計やコースターといった小物までつくり出し、材料を大切に丁寧に使い切ろうとしている。そうは言っても、製品には生かしきれない木の端っこ、試作品のパーツ、訳あって使えなかった大きな板材など、どうしても“はぎれ”が出てしまう。これらを1グラム1円の量り売りで提供するのが、毎月第1土・日曜開催の「無垢板はぎれ市」だ。
なるほど! この活動がkikiスタイルの木育か、と思ったが「(木育について)そこまで意識していない」と木村さんが言うので、面食らってしまった。
#kikiのはぎれでつくったよ
「“材料を分けてほしい。はぎれでいいから”と言われることがあって。はぎれと言っても、木の種類も厚みも大きさもバラバラで、値段のつけようがない。だったらお客さんが直接選んで、量って買ってもらえたら楽しいんじゃないかと思って」。このアイデアを形にしたのが、「無垢板はぎれ市」というわけだ。
「いろいろな人が来てくれます。お母さんに“200円までじょ”って言われた子が“200グラム超えた。あ〜あかん”ってなったり(笑)。木工が趣味の人が“良い木があった”と買って帰ったり。“これは何の木?”というお客さんの質問に答えたり。木のことを伝えようと意識していないけど、流れでそうなっているのかも。木に触れると気持ちがいいですよね。木を選んで量ることで木に触れてもらうから、こういうことも木育につながるのかな」。
「#kikiのはぎれでつくったよ」でインスタグラムを見てほしい。3歳の子が木のパーツを組み立てて目や鼻を描き足したもの、木でつくったロボット、フクロモモンガ(ペット)のために作ったブランコ、キャンドル台など、こんな風になるんだ! と感心するものばかり。「無垢板はぎれ市」を知ると、木で何かをつくってみたくなる。この取り組みは、無自覚的だが確かに木育と結びついているのだ。
1グラム1円なんて驚き! 「無垢板はぎれ市」は毎月第1土・日曜開催。キッチンカーもやってきて、マルシェみたいににぎやかになる。
「#kikiのはぎれでつくったよ」には、微笑ましいストーリーとともに力作がアップされている(写真はInstagramのスクリーンショット)。
徳島木のおもちゃ美術館の下駄箱用キーホルダーはkikiさんが制作。家の形の白い木は、徳島産の栃(とち)の木だ。
DATA
テーブル工房kiki
tel.088-683-2010(電話受付9:00〜18:00)
徳島県板野郡北島町高房字堤外35-1
営/工房ショップ13:00〜18:00(土・日曜、祝日は10:00〜)、毎月1回月曜は10:00〜18:00)
休/月曜(月曜が臨時営業の場合は翌日休)、12/30〜1/4
P/10台
HPは「kiki 徳島」で検索
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